2010年5月2日日曜日

植物の力


私の家の門前に、柳の枝を挿しておいたら、根がついて育ち、いまや屋根に届こうかという立派な木になった。植木の世話をする人が、これを見て「珍しい柳ですね」と感心していたので、なんという柳かと聞いたら、名前は忘れたと言った。なるほど、普通の柳とはちょっと葉の付き方や格好が違う。これがもっと大きくなったら、「碧柳居」という看板を出そうかと思っている。今は若緑の天蓋のように葉を繁らせているが、その天蓋の中にはいると、ふしぎに頭がすっとする。きけば、鎮痛剤のアセチルサリチル酸のサリチル酸というのは、柳のラテン語の学名に由来するのだそうで、柳の葉には鎮痛効果があるという。なるほどこの柳の木の下にいるとどこか気持ちがいいのは、そういうこともあるかもしれぬ。毎日歩く中で、いろいろと面白いものを発見するのだが、この上の写真は、畠に咲く、キャベツの花である。キャベツという植物が、一見似ても似つかぬ恰好ながら、じつはアブラナ科の植物であるということは、こうして花が咲いてみるとよく分かる。林 望