去年から拙著の新刊が相次いでいるところだけれど、こたびまた二
冊新しい本が、その列に加わった。
一冊は、『かくもみごとな日本人』という本。これは、もともと日
経新聞の夕刊に連載していた『リンボウ先生のオー人事録』という
広告コラムを一冊にまとめたもので、これは五六年もの間連載して
いたものだった。一回は800字足らずの短いものだけれど、そ
のなかに主に在野の遺賢というような人の一代記やらエピソードや
らを盛り込んだという力わざの文章で、書くのはほんとうに大仕事
だった。それがこたび一冊にまとまったというわけだが、まとめる
に当たっては、かなり手を入れ、また取捨選択の編修を加えて、新
しく付け加えた章もあるなど、面目を改めた。挿絵もすべて私自身
が描いている。
もう一冊は、『うふふ枕草子』。このほうは祥伝社の小説雑誌、
小説NONに二年半連載していた枕草子の私流読解本で、いかに枕
草子が面白く生き生きとした本であるかということを伝えたくて、
一生懸命に書いた。読んでいただければ、面白さは請け負うので、
読者の諸賢ぜひとも書店で手に取って、ごらんをいただき、なおご
購読願いたいと心から思っている近年力こぶの一冊である。
かれこれ、どうぞよろしくお願い申し上げますしだい。
2009年3月18日水曜日
2009年3月12日木曜日
2009年3月8日日曜日
2009年3月5日木曜日
高宮教授最終講義
三月はまだ四日になったばかりだというのに、きょう、三田の慶應
義塾大学のキャンパスに行ってみると、びっくりしたことに、山上
の桜が、軒並み咲いていた。三月初旬に桜が咲くとは! しかも昨
日の雛祭りには雪が降ったのだったが。さて、かねて敬愛する塾の
先輩の英文学者高宮先生の最終講義は、漱石の『薤露行』を巡って
の、主に江藤淳と大岡昇平との論争を論じたもので、しかし、この
複雑なる内容を高宮さんは洒々落々、いかにも分かりやすく面白く
説き明かして、一時間半の講義はあっという間に過ぎた。慶應義塾
の大教室を満席にしての最終講義、私にとっては十分に憧憬するに
足る空気であった。自分も願わくはそういう機会を持てるような立
場に居たかったが、ついにそれは見果てぬ夢になった。その意味で
は、高宮さんが羨ましくてならなかった。
義塾大学のキャンパスに行ってみると、びっくりしたことに、山上
の桜が、軒並み咲いていた。三月初旬に桜が咲くとは! しかも昨
日の雛祭りには雪が降ったのだったが。さて、かねて敬愛する塾の
先輩の英文学者高宮先生の最終講義は、漱石の『薤露行』を巡って
の、主に江藤淳と大岡昇平との論争を論じたもので、しかし、この
複雑なる内容を高宮さんは洒々落々、いかにも分かりやすく面白く
説き明かして、一時間半の講義はあっという間に過ぎた。慶應義塾
の大教室を満席にしての最終講義、私にとっては十分に憧憬するに
足る空気であった。自分も願わくはそういう機会を持てるような立
場に居たかったが、ついにそれは見果てぬ夢になった。その意味で
は、高宮さんが羨ましくてならなかった。
2009年3月4日水曜日
還暦祝い
きょうは、ロルフィング関係の親しい友人たちが集ってくれて、わ
が還暦の祝いの宴を開いてくれた。まことにありがたいことであ
る。宴は、これもわが愛する入谷の梵で開かれたが、そしたら、お
店の御主人が、こんなによく出来た祝いのケーキを用意してくれて
いた。それにしてもよくできた似顔ケーキである。こう見えて、こ
れが苺のショートケーキなのだからびっくり。顏などはチョコレー
トでできていて、食べてみたらとてもおいしかった。お料理はまた
春らしいものが勢ぞろいで、今年初めての若い筍など頂戴した。き
けば熊本で出た筍の由だった。雪もようの一夕、お酒も飲まずに、
おおいに談論風発、笑いさざめく楽しい一時だった。感謝!
が還暦の祝いの宴を開いてくれた。まことにありがたいことであ
る。宴は、これもわが愛する入谷の梵で開かれたが、そしたら、お
店の御主人が、こんなによく出来た祝いのケーキを用意してくれて
いた。それにしてもよくできた似顔ケーキである。こう見えて、こ
れが苺のショートケーキなのだからびっくり。顏などはチョコレー
トでできていて、食べてみたらとてもおいしかった。お料理はまた
春らしいものが勢ぞろいで、今年初めての若い筍など頂戴した。き
けば熊本で出た筍の由だった。雪もようの一夕、お酒も飲まずに、
おおいに談論風発、笑いさざめく楽しい一時だった。感謝!
2009年3月1日日曜日
加治木まんじゅう
ひきつづき、薩摩シリーズの写真から。
私はなにをかくそう、大の饅頭好きである。和菓子のなかでも、こ
の皮と餡のアンサンブルが楽しめて、土地土地によって、いろいろ
なヴァリエイションがあるというところも、饅頭の楽しみの一つで
ある。そのため、各地に出向くにしたがって、かならずその土地の
ローカルな饅頭の味わうことにしているのだが、さるなかに、日本
随一と言ってもいいくらい、饅頭界の白眉と称すべきものが、この
鹿児島県加治木町の加治木饅頭である。この町は、もともと鉄砲鍛
冶で知られたところで、戊辰戦争のときなどは、加治木大砲隊とい
うのが全国で活躍をするのだが、それとは別に、この饅頭が名物な
のだ。皮には甘酒を練り込んで、ねっとりと湿潤、うす甘く、かす
かに塩気もある。また餡は、店により粒であったり漉しであったり
するが、私はもちろん漉し餡を第一と心得る。この美坂という饅頭
舗のそれは漉し餡でほんわかと温かい蒸し上げを売る。旨い。加治
木随一の饅頭舗は、おそらく新道踏切脇なる新道屋かと思うけれ
ど、そこは連日大人気のため、昼前にいかないと売り切れてしま
う。残念ながら、今回は新道屋の饅頭は売り切れの為手に入らな
かった。また次回に薩摩に行く時は、朝起きして買いにゆくべし。
私はなにをかくそう、大の饅頭好きである。和菓子のなかでも、こ
の皮と餡のアンサンブルが楽しめて、土地土地によって、いろいろ
なヴァリエイションがあるというところも、饅頭の楽しみの一つで
ある。そのため、各地に出向くにしたがって、かならずその土地の
ローカルな饅頭の味わうことにしているのだが、さるなかに、日本
随一と言ってもいいくらい、饅頭界の白眉と称すべきものが、この
鹿児島県加治木町の加治木饅頭である。この町は、もともと鉄砲鍛
冶で知られたところで、戊辰戦争のときなどは、加治木大砲隊とい
うのが全国で活躍をするのだが、それとは別に、この饅頭が名物な
のだ。皮には甘酒を練り込んで、ねっとりと湿潤、うす甘く、かす
かに塩気もある。また餡は、店により粒であったり漉しであったり
するが、私はもちろん漉し餡を第一と心得る。この美坂という饅頭
舗のそれは漉し餡でほんわかと温かい蒸し上げを売る。旨い。加治
木随一の饅頭舗は、おそらく新道踏切脇なる新道屋かと思うけれ
ど、そこは連日大人気のため、昼前にいかないと売り切れてしま
う。残念ながら、今回は新道屋の饅頭は売り切れの為手に入らな
かった。また次回に薩摩に行く時は、朝起きして買いにゆくべし。
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