2011年5月29日日曜日

京都北山志明院

 JR東海の車内誌「ひととき」の特集取材で京都へ行ってきた。
 今回のテーマは、「涼を感じる」というようなことで、あの暑い京都の人たちがどういうふうにして暑さと対峙し、それを克服する智恵を集積してきたか、ということを学びに行ったのである。
 今回の取材でもっとも感銘を深くしたのは、鴨川の源頭北山雲が畑の志明院を訪ねた事である。志明院は、こんなに山深いところが京都のすぐ外にあったのかと、ちょっと驚かされるほど深山幽谷の趣豊かなところにひっそりと佇み、あたりは、満山森林の気と、清流から発せられる幽邃の気に充ち満ちている。
 息を吸えば胸中の鬱を散じ、心の洗われるような爽快感を覚える。なんともいえぬ去俗の愉快を感じた。写真は志明院のご住職田中真澄さんご夫妻。このご夫妻がまた、あたりの静謐清爽な感じそのものの、愉快で飾らぬ、そしてまったく俗っ気のないお人柄で、初めてお目にかかったのだが、たちまちに十年の知己のような親しみを覚えた。またぜひ再訪したいと思う。