2026年9月16日水曜日




2026年9月11日、私としては、ちょっと珍しい新作初演コンサートに立ちあった。
HPの「予定」欄にもご紹介しておいたごとく、常磐津兼豊さん主宰の新作発表のリサイタルで、私の作詞、兼豊さん作曲の新作、組歌『冬の蝶』が初演されたのである。
写真は、その新作『冬の蝶』の演奏中の一枚。左から二番目が兼豊さんである。
これは、音楽的には、常磐津の音楽を用いながら、詞章そのものは、むろん浄瑠璃ではなくて「歌」の詞、しかし、演奏はあくまでも常磐津という浄瑠璃のスタイルを基礎として、そこからさらにコンセプトを広げた世界、とでもいうべきか……私には、うまく説明できないのだが、ともあれ、私の詞に兼豊さんが、曲をつけた新作の邦楽作品となった。やはりそこはかとなく浄瑠璃の常磐津の風情を讚えながら、新しい要素もふんだんに盛り込んだ作品となって、大いに好評を博したのは、まことに嬉しい限りである。
兼豊さんは、私の芸大での早い時期の教え子で、もっとも熱心に私の講義を聴いていた学生であったが、今はこうして立派な演奏家となった。
その兼豊さんと、力を合わせて、いままで誰も見たことがないような、新しい作品を産み出せたら、詩を書いた者として、なにより嬉しいことだと思っていたが、それが叶ったのは、まことに本望なることであった。
お陰さまで、チケット完売の満席で演奏されたのは、ありがたいことであった。


2026年3月28日土曜日

雲林院というインク

 


 じつは、しばらく前に、私は特製のインクの命名を頼まれたことがある。それが、ここに掲載する「雲林院」というインクである。その詳しい経緯は、下記のサイトをご覧いただければ幸いだけれど、もともとこのインクを制作販売している女性は、かつて私が東京芸大で教鞭を執っていたときの教え子で(実は彼女は常磐津の演奏家として活躍しているのだが)、卒業後は長らく疎遠になっていたものの、近ごろ再会し、こういう仕事もしているので、ぜひ力を貸してほしいと頼まれたのが、このインクの名付け親になった機縁であった。
 こういう特別のインクを使って、ペンで手書きをするという文化が、いまも脈々と齢を保っているということは、まことにめでたい。
 雲林院は、紫式部にもゆかり深い、また『源氏物語』にも光源氏がしばし御こもり修行などした寺として出てくるが、なにぶん当時は紅葉の名所でもあった。
 掲出の金釘流は、恥ずかしながら私の手書きである。ただ、色あいの見本として……。
 このインクについて、くわしいことは、下記のURLをご覧いただければ幸い。
   https://www.mituo.co.jp/shopdetail/000000000178/
 いまも在庫が残っているかどうかは、直接に御問い合わせいただければと思います。