2011年6月13日月曜日

楽器博物館

 日々源氏物語の書き下ろしその他の仕事で忙しいなかにも、やはり音楽は、廃する事のできない心のよりどころである。
 さる8日に、浜松市楽器博物館で催された『イングランド麗し---吟遊詩人の歌と変奏曲---』というコンサートに、ちょっとだけ賛助出演してきた。このコンサートは、このほど同博物館からリリースされた同名のCD制作発売を記念して催されたもの。CDは、同館の所有するイギリスの名器、カークマンのハープシコード(チェンバロ、1791)と、キーンのスピネット(18C初期)のオリジナル楽器による演奏を水永牧子さんが聴かせ、また広瀬奈緒さんがイギリス仕込みの清澄な歌声を以て和する。博物館の展示室で催された演奏会には、私も、ほんのちょっとだけお手伝いに出てイギリスの古典的音楽の世界についておしゃべりをした。ついでに、アンコールの時に一曲だけ、水永さんの伴奏で、広瀬さんと『リンデン・リー』(R・ヴォーン=ウイリアムス)のデュエットを歌わせていただいた。写真は、そのデュエットの場面。贅沢な楽器と、贅沢な演奏家たちによる、楽しい演奏会であった。(photo=浜松市楽器博物館提供)