2012年3月7日水曜日

いよいよ初演

 今日、六日。立教大学タッカーホールにおいて、いよいよ『聖パウロの回心』が初演された。掲出の写真は、その本番の前日、すなわち昨日五日に行われた「申合わせ」というものの一場面である。能は、オペラなどとは違って、そう何度も通し稽古をするわけではない。通常は、「申し合わせ」といって、一般的にいうところの「ゲネプロ」に当る通し稽古を一回やるだけで本番をむかえる。ただ、今回は新作なので、その前にも一度通し稽古をした。
 さて、実際の初演は、非常に濃密な舞台となり、聖書の聖パウロの回心という劇的なエピソードを美しく能として空間化し得ていたと思う。立教の先生がたも大変に喜んでくださった。
 台本作者としては、お家元が、なにかと私の意見も採用して演技の工夫を重ねてくださったことに、ただただ感謝するばかりである。