2013年6月1日土曜日

いきいき講演会最終回

日にちが前後してしまったけれど、昨日30日の午後、雑誌いきいき主催の読者講演会に行ってきた。これは源氏物語についての連続講演会で、きのうがその最終回となった。
そこで、今回は『源氏物語、濡れ場の研究』と題して、源氏物語に描かれるいくつもの閨のシーンを抽出し、それをどう読むべきかということを話した。
恋の物語だから、濡れ場もたくさん出てくるのだが、さすがに露骨には書いていない。しかし、だからといってエロスに欠けるということではない。源氏物語は分かりきった事は書かないので、閨の場面も、露骨に行為を描くということはない。ただ、読者たちには、どこでどう「実事」が持たれたかということは、いわば自明のこととして了解されたのであろう。そこを、わざわざ文章を精読するかたちで、どう読むのがいいのか、という話をした。
そこで、葵、若菜下、夕霧、浮舟などの巻々からいちばん問題になるところを執り出して、各種の濡れ場を子細に読んでみたというわけである。なにごとも、露骨に書くのが現代風だけれど、この古典的な濡れ場は露骨に書かない分、想像力をかき立てられるので、なまじ露骨に書くより、よほどエロティックな筆致となる。そんなことも源氏の面白さの重要な要素である。
写真は、いつも聞きにきてくださる桐原春子さんが、講演前に撮って下さったもので、手にしているのは、桐原さんご自作のハーブのブーケである。くわしくは桐原さんのブログに書いて下さっているのでごらんいただければ幸い。
http://d.hatena.ne.jp/mitioyoneko/
をごらんください。