年末に日本音楽著作権協会からの通知が来た。それを見て吃驚仰
天したことは、なななんと、わが『あんこまパン』の演奏にかかる
著作権使用料として五万円ちかい金額が支払われたことが分かった
からである。こんな金額は、ポピュラー畑の人からみたら、問題に
ならないような端た金と見えるだろうけれど、クラシックの歌曲
で、しかも私が作詞したものとしては、空前の多額であったので、
吃驚したのである。おそらく、私の知らないところで、いろいろな
声楽家たちが、この曲を面白がって演奏会で取りあげてくれたもの
と想像される。いや、この歌こそは、私自身も、最近常々あちこち
で演奏しているのではあるが、今をときめく宮本益光君や、かの高
名なる佐藤しのぶさんや、渋い小栗純一さんやらがレパートリーと
して歌ってくれているのは、知っていた。が、それだけではこんな
数字にはなりっこないから、もっと多くの人たちがこれを取りあげ
てくれているのであろう。まことに嬉しいことである。と、思って
いたら、このほどその作曲者の伊藤康英君が、自分の主宰する会社
から、この曲の声楽ピースを発売してくれた。今までは、もう十数
年前に刊行して、すでに絶版になってしまっているCDブック『あ
んこまパン』(小学館)しか楽譜はでていなかったのだから、こう
いう手軽なピースにしてくれたことは、百万の味方を得た思いがす
る。これでますます、多くの人たちに歌われるようになるだろう。
ねがわくは、バリトン用に、二度下げた移調譜も刊行してくれると
さらにさらに嬉しいのだが。