2020年4月7日火曜日

風邪はひかぬにこしたことはない


 きょう、いよいよ新型コロナの蔓延を抑えるための、緊急事態宣言が発出されるということである。いや、遅きに失したと、私は思うが、それでも、出さぬよりは出したほうがよいというものだ。
 じつは、私は、今から十二年前に、上記写真のような『風邪はひかぬにこしたことはない』という本をちくま文庫で刊行している。あまり売れなかったので、ご存じない方も多いと思うのだが、これは、もともと風邪にかかりやすく、そのために慢性の気管支炎や喘息でさんざん苦悩をなめた経験から、どうしたら風邪をひかずに過ごせるかという、いわば感染症予防のノウハウを洗いざらい伝授する本である。その根幹は「人を見たら風邪引きと思え」という思想であって、パーティには行かない、病気を人に移さないのがマナー、電車には乗らない、エレベータには乗らない、人ごみは避ける、常住マスクをする、帰ったら良く手を洗う、鼻洗浄のすすめ、ウイルスが付着したかもしれないものは口に入れない(だから、剥き出しで売られているパンとか、ビュッフェ式の食べ物とかは、食べない)・・・等々のノウハウを、私は経験的に徹底伝授しているのである。これが十二年前に出した本だが、今出せば多少は世の中のお役に立ったかも知れぬと、残念に思っているところである。じっさい、今の新型コロナは別格ながら、ありきたりの普通の風邪だって、じつはそのなかの四種類は、既存コロナウイルスが病原体だということが分っているのは示唆的かもしれぬ。
 この思想に基づいて、私のオフィスの玄関には「風邪引きの人の入室厳禁」という大きな木札が掲げてあることは、関係者には良く知られた事実で、今になると、この思想の正しさを事実が追承認してくれたという思いがある。みんなが、だらしない生活を改め、不要の集まりや酒飲み会などをやめ、タバコは禁止、そうすればコロナの蔓延はかなり防げていた筈なのだ。そういう意味での、これは警世の書だったのだが・・・。少し、書くのが早すぎた。
 かくて私は、今はまったく閉門して蟄居し続けているのである。