2008年10月19日日曜日

打ち上げ

16日の夕刻六時から、東京駅八重洲口前、八重洲ブックセンター
で、新刊拙著のサイン会があった。この新著はNTT出版から出た
『日本語は死にかかっている』という本で、NTTライブラリー・
レゾナントというシリーズの一冊として書いたものである。題名が
相当に刺激的なせいか、サイン会には大勢のお客さんが来てくだ
さったが、その大半が男性客であるのにびっくりした。いままでの
拙著にはない傾向で、場所柄、また時間柄ということもあるかもし
れないが、それだけではないような気がする。サイン会を無事終え
てから、出版社が打ち上げの会を設営してくれた。田町駅の近くに
ある『牡丹』という大きな日本料理屋であったが、中山逹也料理長
の采配よろしきを得て、趣向豊かな名菜が並んだ。聞けば、編集部
が、私の低脂肪食ということをよく板場と相談して特別に献立して
くれたものらしい。ありがたいことである。そのなかから、写真上
はえい鰭旨煮、向こう側に手毬菊花蕪、右側に黒豆湯葉、手前に春
菊と菊花の浸し物、このえい鰭は、軟骨がほろほろになるまでよく
煮込んであって、やさしい口触りの一品。写真下は、鮑柔煮にケイ
パーと赤粒胡椒を添えたもの、手前は、味噌柚餅子が二片、右のや
や緑がかったものは鮑の肝の旨煮。〆には手打ちの越前蕎麦という
趣向。秋らしい食卓の風景を大いに楽しんで夜も更けた。