2008年12月2日火曜日

店じまい

 白州の家を建ててから、もう何年になるだろうか。おおむね十五
六年にはなると思われる。東京の自宅から、ドアtoドアで二時間半程
度なので、もっと気楽に週末など過ごしに行こうかと思って作った
のだが、さて、実際には忙しくてそれどこではなく、週末ごとには
各地の講演などに飛び回っていて、なかなかこの家にも足が向かな
い。それで、当初は、年に何回かは、数日くらいずつの休暇をここ
で過ごしたものだったが、この数年は、一回くらいしか行くことが
できない。それで、ただただ春三月に別荘開きをして、ずっと使わ
ぬままに十二月に店じまいに行く、そんなことを繰り返している。
いっそ売ってしまおうかとも思わぬでもないのだが、まあ買う人も
あるかどうかわからぬし、やっぱり自分なりに思い出や思い入れも
あって、売りたくない気持ちも強いのだ。いい所なんだけどなあ。
とくに、今ごろの季節に行くと静かで、心が非常に休まるのだが。
時間が足りないのはいかんともしがたい。