2008年8月29日金曜日

普茶料理『梵』




 きょうは、旧知の編集者二人へのお礼を込めて、入谷の普茶料理屋『梵』で会食をしてきた。じつは梵は、私のもっとも尊敬し愛好する純精進料理の店で、普茶料理として、日本有数の名店と言って良い。なにしろ手間ひまのかかった料理ばかりで、毎回四十品目くらいは出るだろうか。見て楽しく、味わって美味しく、しかもほんとうに新鮮な素材を用いた、完璧なお精進だから健康にも頗る良い。それに、竜泉寺裏のこの店の佇まいがまた、いかにも古風で趣深く、しっくりとした個室で、誰にも邪魔されず、タバコや酔漢にも悩まされることなく、静かな清談に時を過ごすことができる。こういう店は、東京ひろしと雖もそうそうあるものではない。それについては、この店の二代目御主人古川竜三さん御夫妻の、温雅なお人柄が反映しているように思える。店のサービススタッフもみな感じよく親切で、しかも、お料理はたいへんにリーズナブルな料金である。私はなにかというと、この梵に予約をして、人を接待もし、自ら楽しみで食べにも行く。とくに外国人の接待には絶好の店である。梵のホームページは
http://www.fuchabon.co.jp/
で見られる。きょうも楽しく美味しい歓談の一時を、感謝しつつ。
写真上は、岩牡蛎見立ての湯葉刺し身、酢蓮等の盛り合わせ。写真中は、お精進の鰻蒲焼きもどき、うざく風。鰻に見えるものの素材は豆腐や海苔など。写真下は梵の店の前にて、御主人の古川さんと。